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Directed and Produced by
純谷吉松(Itoya Kichimatsu)


■2001年3月のニュース一覧
▼[2001.03.31]老人への断罪としてのX
▼[2001.03.29]私の時,清かに
▼[2001.03.28]「絶対の」秩序を聞け
▼[2001.03.26]空間の破壊と認識のための音
▼[2001.03.24]戦いの銃を持つ,妥協はいらない
▼[2001.03.23]天上の革命
▼[2001.03.22]次に必要なものは,ただの箱
▼[2001.03.21]キッズの面影
▼[2001.03.20]北の国の話
▼[2001.03.19]マックブラウザ,新世紀の春
▼[2001.03.17]そのDNAを,私たちが育てる
▼[2001.03.16]ミドリが救う地球
▼[2001.03.15]生きる,源,糧,次
▼[2001.03.14]金額に勝る魅力を打つ革新
▼[2001.03.13]巨人の苦悩
▼[2001.03.12]'U' r the Radio.
▼[2001.03.11]ヤフーが見失ったもの
▼[2001.03.09]不合理?
▼[2001.03.07]人より言葉の達人になる彼に
▼[2001.03.06]遠き道の始まり
▼[2001.03.05]Mack The Knifeを聴きながら
▼[2001.03.04]汝,畏敬の念で路を歩めよ
▼[2001.03.02]星空の,孤独と繋がり
▼[2001.03.01]夢のための明日

■2001年4月のニュース一覧
■2001年2月のニュース一覧


 
[2001.03.31]
  老人への断罪としてのX


 ▼「Xboxによってゲームは新しいジェネレーションへ」 ビルゲイツ会長 基調講演(MYCOM PC WEB)
  http://pcweb.mycom.co.jp/news/2001/03/30/17.html


 ダグラス・クープランドの「ジェネレーションX」にひっかけたゲイツの基調講演は,魅力あるものだった。ジェネレーションXへの世代交代が,来る,過ちの中の老人を,叩き潰せ!

 マイクロソフト社のビル・ゲイツ会長が,東京ゲームショウで基調講演を行った。Xボックスによってゲームは新しいジェネレーションに移行すると述べた。会場ではXボックス用ADSLモデムや,光ファイバーアダプタが発表され,テクモ社から「デッド・オア・アライブ3」のリリースも明らかになった。また,セガ社の参入が発表され,オンラインゲームを共同展開する。

 ゲームショウ初日で,一気にモメンタムを引き寄せたXボックス。第10回にして,出展面積が第1回以来の1,000小間を割り込み,出展社数も最盛期(104社)の半分近く(53社)まで落ち込んだ惨憺たるゲームショウに,Xの力は一陣の風となっている。プレステを成功に導いた宮田氏がXボックスの統括者としてプレステ2を批判し,セガはプレステ2に供給する倍の数のソフトをXボックス向けに発表した。

 つまりは,そういうことなのだ。ゲイツはソニーの失敗をきちんとみている。インフラが整って,オンラインゲームを始めるのではダメなのだ。Xボックスは,インフラを,つ・く・ろ・う・と・している。そして開発者に対し,きちんと前向きの対処をしている。ゲームの冬を作って平気な顔をしているプレステ2への断罪として,Xボックスは来る。そう,つまりは,そういうことなのだ。




 
[2001.03.29]
  私の時,清かに


 ▼イギリスAOL、職場から時計を追放――定額料金宣伝のため?(WIRED NEWS)
  http://www.hotwired.co.jp/news/news/business/story/20010328105.html


 時は金なりだが,時の次元はひとつぢゃない。あなたが生きるべき,時,を,決めよう。

 英国AOL社は,オフィスから時計をなくし時刻をわからなくする実験をしている。それによってストレスが減るか,仕事がはかどるかを調べているが,同社が打ちだした定額料金制の宣伝キャンペーンとみる向きもある。従業員たちは,実験を楽しんでいる人もいるが,「最悪」と思っている人もいる。

 スウォッチ社が提案したインターネットタイム「ビート」はあまり普及していない。人は24時間の枠のなかでしか,生きている価値を見出せない生き物なのか? 否,きっとそれは,慣れの問題でしかないのだろう。または安易な引きこもり,進化することへの物怖じ,だ。24時間の時間は,記事にあるように,体内時計の音をかき消し,人間を_24時間_の上でしか生きられないようにしている。もう人間は,24時間の上に生きていては,なにも変われない。

 ネットワークには,朝も夜もない。0時も12時もないし,春も秋もない。均一な時間が流れ,そのスピードは,リアルの7〜8倍とも云われる。ワイヤード・タイムだ。リアルで1時間に集められる情報とワイヤードで1時間に集められる情報の量を比較すれば,おおむねそんなものだろう。AOLの勤勉な:-P社員たちは馴染めないかもしれないが,あなたは,ワイヤード・タイムで生きられる。生きる価値の未来は,その時のなかにある。




 
[2001.03.28]
  「絶対の」秩序を聞け


 ▼聴きたい曲まで決めてくれる次世代Napster(ZDNet News)
  http://www.zdnet.co.jp/news/0103/26/e_napster.html


 だからナップスターに乗っておけばよかったのに…という嘆きを,レコード業界に投げ掛ける日は近い。だが,老人たちはいつもそうやって死に絶えていくものだ。さようなら,新しいマーケティングに見向きもしなかったCDたち。音楽に罪はなくとも,レコード会社の老人たちは,罪とともにくたばっていく。そしてその老人に,ピストルを突きつけるのは,あなた,だ。

 ナップスター社は,音楽推奨サービスのギガビート社の一部を買収するようだ。また,ナップスターのパートナーであるベルテルスマン社は,ユーザーの行動パターンを学習できるソフトを開発しており,7月に開始される会員制サービスは,それらの技術を集めたものになりそうだ。

 ちょっと話はそれるが…。MP3ストリーミングを私が好きな理由は,出会える音楽の幅の広さと,そのなかで自分の好みにあった曲に出会える確率が高いことだ。気に入った曲を流しているラジオ局をみつける。んで,その局で流れている曲は,ほぼ確実にヒットする。簡単だ。ナップスターでは,自分の検索した曲しか目に入らないが(まぁそこから相手の共有フォルダをのぞくことはあるだろうが,たいていゴミが多い),MP3ストリーミングなら,自然と耳に入ってくるので簡単だ。有料となる新しいナップスターも,それに似た,なんらかのサービスを提供したいと考えているのだろう。だが,その最大限に有効なマーケティングも,レコード業界は受け入れないだろう。レコード業界はナップスターがファイル交換を止めると云っても妨害を続ける。ナップスターはどうなっても利益を奪う敵であり,歩み寄りは一切ない。当然の流れの先にある,新しい「秩序」の確立も徹底的に排除し続ける。そして,よっほどスマートではない旧態然とした秩序を押し付けようとする,自らの利益のために。だから,そんな能無しとは,戦いを持つべきだ(過去記事)。

 MP3ストリーミングが示しているもの,そしてナップスターが模索しているものは,ある意味で最高のマーケティング手法だ。だが,能無しのレコード業界はそれを理解できない。もう少しで,ストリーミングは本当に個人の手から発せられる。そのとき,過去の秩序に固執しているものは,路頭に迷うしかない。つまり,今,MP3ストリーミングにある所作は,「絶対の」秩序となるのだ。もし,日本にまともな知能を持つレコード会社があるなら,JASRACの手から放れ,MP3ストリーミングに楽曲を開放するマーケティング戦略を立てるべきだ。それを出来ない能無しは,滅んでいったほうがいい。




 
[2001.03.26]
  空間の破壊と認識のための音


 ▼話題の静音ケース“サイレントマスター”がフル装備で販売開始!(ASCII24)
  http://db.ascii24.com/buyer/akiba/news/2001/03/24/624557-000.html


 本当の暗闇。本当の静寂。それは恐怖とつながる。すべての空間を喪失する状況。そこで,まともでいられる人間はいない。…でも,雑多な音は消えてくれたほうが,いいね。

 ジャパンバリュー社の静音化を突き詰めたケース「サイレントマスター」が販売を開始した。全面アルミ製で,内部防音シートが貼られ,CPUの熱を逃がす銅版などが施されている。3万9,800円。

 以前の紹介記事を読むと(ASCII24の記事),ドライブなどをガワにくっつけ,振動をなくして音を防ぐというのが基本で,さらにガワの内部にゲル状の振動を吸収する緩衝シートを貼りめぐらし,ガワ自体も底部のV-Chipで振動を吸収する感じ。その値段のガワを買うのはどんな人ですか? という気もするけど,徹底して狙いを消音に絞っているのは面白い。ステキ。

 それでもファンとドライブはあるわけで,それ自体の音は消えない。iMacやG4キューブなどのファンなしの機種に,富士通などの流体軸受のハードディスクを使うのが(MacWIRE ONLINEの記事),市販PCでは独壇場の静けさとなるか。実際にそれを使ってみると,ホント,怖いくらい。まるで海の近くで育った人や,街中で育った人が,森林奥深くで眠るときに,静かすぎて怖くて眠れないような。集中力が高まる気もするが,静かすぎると逆に気が散乱したりもする。違和感? いや違う,現実感さえない気がする。まぁ静かなマシンはとことん利点はあると思うが,私は,夜通し,ファンの音で,眠り続ける。その子守歌は,心地よい(=_=)。




 
[2001.03.24]
  戦いの銃を持つ,妥協はいらない


 ▼「表現の自由vs著作権保護」を問いかける活動家(WIRED NEWS)
  http://www.hotwired.co.jp/news/news/culture/story/20010322207.html


 ワイヤード,その果てにあるナントの地まで,私たちは闘い続ける。「The Net CANNOT be stopped. Electronic freedoms WILL survive, by hook or by crook.」。その文字刻む,深紅の御旗の下に。

 カーネギー・メロン大学のデイブ・トゥーレツキー氏は,「CSS暗号解読プログラム・ギャラリー」というサイトを公開している。米国映画協会から脅しは来たが,自由意思論者として「これらを制限するのは簡単ではない」としている。

 いわば,宗教戦争である,デジタル著作権に関する議論。「デジタル・ダウンロード」というタイトルで行われたコンシューマーエレクトロニック協会の会議は,「まったくまとまりがつかな」いまま終わったという(MYCOM PC WEBの記事)。ナップスター社を支持するチャックDは,「自由にやりたいやつと規制したいやつをひとつにまとめるのは無理だ,それぞれが干渉しないほうがいい」と述べた。レコード業界とも対立し,ナップスターとも対立する微妙な立場にいるイーミュージック・コムのCEOは,寄稿したコラムで,「お互いが信頼をし,妥協するという幼稚園レベルの解決策ですむ」としている(ZDNet Newsの記事)。だが,どうだろう。本当の宗教戦争は,そんなたやすい一言では終わらない。

 お互いの信仰にまったく譲り合う部分もなく,いや,わずかでも譲り合うことはすなわち自己否定となる状況を考えると,やはりこの戦争に終わりはみえない。…カトリックとプロテスタントの戦いに思いを馳せる。8度の戦争を経て,バリケードの日を越え,反逆と侵攻,虐殺と暗殺の果てに,ナントの王令は発せられた。30年の月日を費やしたあの戦いのように,私たちも銃を手にする。妥協はない,あるのは,戦いだけだ;-P。




 
[2001.03.23]
  天上の革命


 ▼JobsがMac OS Xアップデートの時期を明言(MacWIRE ONLINE)
  http://www.zdnet.co.jp/macwire/0103/22/n_osxupdate.html


 あと,1日。創造主の誕生日を祝うというよりは,やはり落ち着かない,ニュルンベルクのマイスタージンガーを思わすような,混乱と怒号を呼ぶものになるのか。まぁ,革命にはそれくらいが,付きもの。

 アップル社は,マックOS X発売に関する記者会見を開いた。CDライティング機能は4月,DVD再生機能は晩春にアップデートされる。また,発売日にはOS X版のiMovie,iTunes,アップルワークスプレビューも入手可能。OS Xには,クイックタイム5が搭載,先進のスリープ機能を持ち,互換性のあるPDFがOSと統合,入手可能な最高の欧文・日本語フォントを含み,Java2が組み込まれている。

 なにげに静かな気配もするマックOS Xのリリース。アップルはそれなりの広報しか動いてないし,広告バンバンと出るような感じでもなく,わざと沈めている感じもする。でも,秋葉原などでは,深夜発売を行う店舗もいくつかあり,待ち焦がれる想いはとどまらない。

 バージョンナンバーとしては,「マックOS X 10.0」が正式らしい。複数のネットワーク接続を行うときのラクチンさや,欧文フォントの拡充など,この間際の発表でも初耳の事柄があって,魅力,果たして底知れない。驚くほどの,改訂だ。いや,改訂ではなく,新規構築だった。…よくよく考えれば,DOSという基盤を持ちながらウインドウズ95へ,95のインターフェイスを保ちながらウインドウズ2000へと移行していったウインドウズは,親切といえば親切な移行だった(まぁ出来上がりの良い悪いは置いといて)。OS Xは,マックOSのバージョンナンバーを引き継いではいるが,まったく,別物。初心者は戸惑うだろうし,熟練者も困惑する場面があるだろう。でも,その潔さは心地よい。どうせ通る道なのだ。今日,済ませたほうがよい。「明日起きる革命は,今日起こしたほうがよい。1分,1秒でも,早く,早く」。




 
[2001.03.22]
  次に必要なものは,ただの箱


 ▼「エアロダンシングi」Win版発表。DCとの通信対戦も!(GAMESPOT JAPAN)
  http://www.zdnet.co.jp/gamespot/gsnews/0103/21/news01.html


 ゲームハードは,端末でしかない。ゲームハードは,ただの箱となる。ただの箱なら,驚くような機能も,人間に近いだのという能力も無駄。で,無駄なことに能力を使うような人たちを能無しと云う。

 ドリームキャスト版が発売されている,CSK総合研究所のフライトシミュレーションゲーム「エアロダンシングi」のウインドウズ版が発売される。ISAOネットの技術協力により,双方のプラットフォームでの通信対戦が,初めて可能となっている。

 ハンドレッドソードもできそうな気がするんだけどなぁと思うが,とりあえずエアロダンシングiが,その偉業をはじめて成し遂げることになりそうだ。自分の目の前にあるハードと,対戦相手の目の前にあるハードが全然違うもの,という状況は,現状では想像がなかなか働かない。

 だが,当然今後はこのようなソフトの数が増えていくだろう(と云っても,ドリキャスが沈んだ今,その後を継げるものはまだないが)。これはマルチプラットフォームの始まりではなく,TCP/IPという単独のプラットフォームへの集約でしかない。すなわち,個々のプラットフォームはたいした意味をなくす。そのプラットフォーム独自の機能よりは,よりIPとの親和性の高さが必要となる。で,それが可能になりそうなのは,Xボックスかなぁとなるのだが,そこはMSだけに(^_^;),ちょっと心もとない。まぁ前時代のゲーム機の名前を引きずっているものより,X箱という名前の方が,次のゲームハードには向いているのだが。




 
[2001.03.21]
  キッズの面影


 ▼セガトイズ、子供向けコンピュータ「PICO」にネット接続キット(Impress INTERNET Watch)
  http://www.watch.impress.co.jp/internet/www/article/2001/0319/pico.htm


 ほら,おぼえているでしょ,あなたも,そうだったはず。あなたも,感じていたはず。

 セガトイズ社は,同社の子供向けコンピューター「ピコ」用のインターネット接続キットを発売する。パソコンとUSBケーブルでつなぎ,ネット上の仮想テーマパークに接続,ユーザー同士のコミュニケーションが楽しめる。

 「小学校のころ,僕は他の人との繋がりを明確に感じることができました。相手が言葉を発しなくても,考えていることが伝わってくることがあったし,遠く離れたところでやり取りしている会話が,心の中に伝わってきた。僕はその繋がりをたどって,いろんなところに行ったし,いろんなことを知った。

 大人になって,そんな感覚もいつの間にか消えて,忘れてしまっていたときに,ネットワークにつながったコンピューターに触れた。そう,それは,僕があの時に感じていた感覚そのものだった。なんだ,これ,のことだったのか。ネットワークは,心の繋がりを具現化しただけに過ぎないんだ。ネットワークは,最新の技術じゃない。人間が生まれたときから持っている,能力の,発露だ」。




 
[2001.03.20]
  北の国の話


 ▼アーケードからカプコンが撤退? 一部新聞が報道、その真相は?(geisen news)
  http://geisen.com/news/gnw20010319001.htm


 春のない冬。幻想でしかない春。冬を耐えるものに春が来る(過去記事)と思いたいけど,でも,きっと,あまり,もう。

 カプコン社がアーケードゲーム市場から撤退するという報道が,一部新聞でなされた。カプコンは,縮小はあっても,撤退することはないと否定。月末の東京ゲームショウにも,アーケードの新タイトル発表を予定しているとのこと。

 北の国に行ったことがある。日本の寒さなど,比べ物にならない,北の街だ。冬に太陽をみることなどない。いつも,鉛色の空が覆い,そしてしきりに雪を落とす。毎日毎日,来る日も来る日も,雪かきをする人々,暖房のための灯油を運ぶ人々,足下の覚束ない道を買い物に向かう人々。…自堕落な私は思う。もっと,南に行けばいいのに。そうすれば,なにも苦労をする必要もないのに。でもきっと,その地で生活をしている人は,その地で生き続ける。私も,雪の降る街で育ったから,それはわかっているつもりだ。でもね。思った。人が暮らす街として,その苦労は重すぎるんぢゃないかと。

 もしかしたら,もう春はこないんぢゃないかと思うゲーム業界。あまりにも長く,熱はとどまってくれていたが,それもすっかり冷めてしまった。ゲームは,ムーブメントでしかなかったのか? 一瞬の熱病でしかなかったのか? ゲームに対する認識が足りないゲームハードが売れるのは,誰もゲームをまともにみていないからだ。ことあるごとに,いろいろな人が再び熱気を呼び起こそうとしているが,結局,さっぱり,からきし,ことごとく。そして,猛冬は,これからやってくる。




 
[2001.03.19]
  マックブラウザ,新世紀の春


 ▼Macユーザーの『Opera』評価はさまざま(CNET Japan)
  http://japan.cnet.com/News/2001/Item/010313-1.html


 新しい春には,新しい風が吹く。突風のようなオペラの歌声,甘美に芳しいオムニの装い,純粋な光沢の日差しを照らすiCab。2大ブラウザに汚されない,本当の春を持てる幸甚。

 オペラ・ソフトウェア社は,ブラウザ「オペラ 5.0 マック版」の技術プレビューを公開した。IEやネットスケープ6より優れた性能を示しているという意見や,CSSやJavaScript,動画GIFの表示にエラーがあるとの指摘がある。

 日本語の表示ができないので(できるのかな?)デフォルトとしては使っていないが,確かに,速い。「地球上で最速」を名乗るだけはある。いやはや驚き(@_@)。新しいパソコンを買ったらインターネットが速くなったという話をきく。それはインターネットが速くなったのではなく,ブラウザの表示が速くなっただけだ。つまり,ブラウザ描画の速さは,ネットワークのボトムアップともなりえる。タスマン,ゲッコーの上を行くブラウザエンジンに,だからギガクロックと同じ驚きをもって,目を奪われる,ホント。

 マックOS Xでは,もうひとつのブラウザ,オムニウェブがある。これはなんと云ってもその美しさが特筆もの。ほんとに紙の印刷物をみているようなウェブページが現れる。このフォント処理は,とてつもない。こんなサイトみたことないと思わせる,ホント。と,あれこれあるが,基本的に私はプライベートでは,iCabラブラブなのです,ふにゅん(^_^;)。




 
[2001.03.17]
  そのDNAを,私たちが育てる


 ▼セガ代表取締役会長兼社長の大川功氏死去(geisen news)
  http://geisen.com/news/gnw20010316005.htm


 「これからもセガ,ひいてはCSKグループは世の中の感性をワオ!と驚かせることに挑戦しつづける。それが,大川功のDNAだから」。

 CSK社名誉会長で,セガ社代表取締役会長兼社長の大川功氏が,16日亡くなった。84年にセガの会長になってから,セガの経営を実利面・精神面で支えた。2度にわたる個人資産贈与を行い,「事業で得た資金は事業に返す」という経営哲学を実践してみせた。

 自らの最期を知り,セガにすべてを渡して死んでいったのだなと,ちょっと感慨深い。「事業は一代限り。事業で得た資金は事業に返す」という一言をきちんと実践していったのは,誇りある態度だ。アスキーやセガという,崖の上にある企業に手を差し伸べる姿は,気違いじみた経営という批判もあった(Bloomberg.co.jpの記事)。それは確かに失敗しないやり方ではなかった。が,「新しいことは頭のイイやつにやらせてはだめだ。やって失敗したら,またやれ」の言葉通り。そう,またやり続ける,その気概を,私たちは忘れてはならない。

 もし,大川がセガにいなかったら,日本がつくったネットワークゲームというのは,この21世紀も落ち着いたときに,まだ1本もなかったのだ。それがどれほど不甲斐ないことか,私たちは認識するべきだ。「長い目で見てくれれば,損はさせん」。その言葉は,セガだけのことではなく,私たち日本人,そして世界中のゲームをする人,ゲームを作る人たちにあてられたものだ。ネットワークになんらかの意味を持つものなら,大川の言葉にもう一度,耳を傾けていい。…その言葉を読むたびに,涙が,あふれてくる。(セガ社広告,日本国民の皆さまへZDIIの記事)。




 
[2001.03.16]
  ミドリが救う地球


 ▼トランスメタからモバイル用Linuxの『Midori』が登場(CNET Japan)
  http://japan.cnet.com/News/2001/Item/010314-2.html


 将来的に,すべてのOSを(驚くべきことにリナックス自体をも)食ってしまうかもしれない,そのOSが,ミドリだ。その生命力と繁殖力は,地球を覆う「緑」,の名のままに。

 トランスメタ社は,モバイル機器バージョンのリナックス OS,「ミドリ」をオープンソースとしてリリースした。日本語の「緑」を語源とするミドリは,電力消費を抑え,8MBのフラッシュメモリ内で稼働する。

 ノートパソコンなどのモバイル機器の心臓として大きな注目を浴びていたクルーソーへの注目も一段落,地道な成長と発展を遂げる時となっている。だが,クルーソーでちょっと意外だったのは,モバイル機器ではなく,サーバー機器としての需要があるということだった。年がら年中稼働しているサーバーだからこそ,消費電力が抑えられれば,電気代も節約は大きい。ミドリのキャラはどぉよという話はまぁ置いといて(^_^;),クルーソーとミドリがつくる世界は,ほかのチップの価値観とはまっ,たく,違う。

 個人が,たとえばライブでMP3ストリーミングを行ったり,24時間音楽を流し続けたり,ビデオを流し続けたりという常時「発信」を,皆が行う時が刻一刻と近づいている。たとえば東京めたりっく通信のmeta+のように(ZDNet Newsの記事)。膨大な数のサーバー,パソコンが起動し続ける。そのとき,クルーソー,ミドリという選択は,確かな意味を持つ。世界から緑が消えても,地球には,ミドリがある。




 
[2001.03.15]
  生きる,源,糧,次


 ▼次世代ネット構想『グリッド』(WIRED NEWS)
  http://www.hotwired.co.jp/news/news/technology/story/20010313306.html


 人間に次はないが,ネットワークに,次はある。まだまったくみえないその,次は,私たちが溺れて,埋まれる世界となる。より深く,深く。

 アムステルダムで,グローバル・グリッド・フォーラムが開かれた。グリッドとは,インターネットを発展させ,共有機能や分散処理機能を強化したもの。バーチャル天文台や医学的な血流シミュレーションとしての利用や,世界規模のファイル交換ネットワークとなる可能性もある。が,グリッドの未来は今はまったく未知数だ。

 ちょっと学に溺れているかなという感じのグリッドだが,基本的な指向は間違ってないのだろう。あとは,コンシューマーの望むものを用意できるかどうかだけだ。いちばんのウリの分散処理機能であっても動機が必要で,その点では協力したいという自発的な欲求を満たしたSETI@homeの試みは大成功だったと云える。グリッドにその力は,ありや?

 海の上でも,南極でも北極でも,ジャングルでも沼地でも,地球にはネットワークというグリッドラインが張り巡らされている。すべてのグリッドは接点を持って何処へでも進み,そして,すべての人の意識の上にグリッドはたどり着く。ラインは命,スレッドは希望,グリッドこそ生きる源。グリッドの名を持ったプロトコルを(それはその時,グリッドという名前ではないだろうが),生きる糧とするときが,来る。




 
[2001.03.14]
  金額に勝る魅力を打つ革新


 ▼ハンドスプリング、新型『バイザー・エッジ』を発表(WIRED NEWS)
  http://www.hotwired.co.jp/news/news/technology/story/20010313301.html


 輝くエッジの楼窟。ミランダの声に深紅の夕景は,手の平で戯れる。焦がれる思軒,猛狽のゼロリンドが沸点に突き当たる。その地を,偉大と人は云う。…お帰りなさい,バイザーの革新。

 ハンドスプリング社は,市販されているPDAでもっとも薄型の新製品「バイザー・エッジ」を発売した。これには小型化した新しい拡張モジュールコネクターがついており,従来の拡張モジュールもスロット・モジュールで使用できる。赤,青,シルバーという3つの色による新デザインは,専門家に成功すると述べられている。399ドル。

 新しいバイザー,なかなかよさそう,とみえた。薄さというインパクトを強調し,外観の持つ「エッジ」の洗練さを感じる。もうちょっとポップさがあれば,いわゆるコンシューマーにもアピールできそうだが,それは仕方ないか(花柄水玉よりは目に優しいし(^_^;)。常に持ち歩くものであり,常時視界に触れるものだからこそ,その定点は間違っていない。いいプロダクトデザインの見本のようなもの。こういうのをみるにつけ,日本の携帯電話メーカーのセンスのなさが際立つ。なんとかならんのか,あれらは。

 だがデザインが優れていても,カラー液晶ぢゃなくて,機能的にも大きなアップデートがなくて,この値段は高い,とも感じる。PDAが一般におりてくる値段は3万円以下であると思うのだが。まぁそれでも,そのいい感じは,心をくすぐるのに十分だ。金額に勝る魅力を作り出せる,それは偉大であるに,違いない。ハンドスプリングという会社には,そういう力が満ちている。




 
[2001.03.13]
  巨人の苦悩


 ▼Intelの内憂外患−−アナリストたちはさらなる格下げへ(ZDII)
  http://www.zdnet.co.jp/zdii/0103/12/hn_009.html


 死に行く巨人をただ見つめているのは,なんとも物悲しい。そこにいる自分は,手を空にかざして,そのうめきを聞くことしかできない。

 インテル社は,第1四半期の売上高が前期の25%減になると警告し,全従業員の6%にあたる5000人を削減すると発表した。粗利率も58%から51%に近くなると述べており,ペンティアム4のコストから50%を切ることも懸念される。。

 先日のヤフーも悲惨なことは悲惨だが,目も当てられないとはインテルの様だ。かつての巨人が足下もおぼつかず,ノックダウン寸前にもみえる。特に穴が空いたのが,堅調であるはずのネットワーク機器やサーバー分野の売り上げだということで,あまりにも心もとない。まさに,死に体。

 記事を読んでいても,どう転んでも転落でしかない。失敗に失敗が重なり,勝負に出れば傷が吹き出す。セガ的な大転換が必要な企業のひとつとも云える。かつての巨人の老いさらばえていく気配は,なんともいたわしいが,インテルが光明を見出そうとするネットワークのスピードの速さは,さらにインテルを置いてゆく。ギャンブルをかけられるような幹部もいない。大規模な事業縮小,またはネットワークに特化した業務の集中,など,展開がみられるだろうか? いや,もうそれしか,ないのだが。




 
[2001.03.12]
  'U' r the Radio.


 ▼常時接続の普及で注目されるネットラジオ(NetLife:YAHOO! INTERNET LIFE)
  http://www.zdnet.co.jp/netlife/enter/yil/0103radio/


 放送塔も要らない,放送免許も要らない。あなたの掌がラジオ局になる。すべてにつながる。人は,音楽でつながることもできる。

 オンラインラジオを聴いた人の割合は2年で25%から63%になった。リスナーは単調な地上波のラジオから逃れ,初めて主導権を握って,ネットラジオに望みを託しているようだ。2005年には新車の半分にネットラジオ端末が搭載されるだろう。

 MP3ストリーミングは,他のストリーム系とは違う点がある。それは,特定の製品に依存せず,特定のプラットフォームに依存せず,特定のなにものにも依存していない点だ(実際は権利を主張されているが)。その汎用性は,なにものにも代えがたい。MP3の最大の進化は,それ,で,他のいかなる音楽フォーマットも,それを持っていない。音質がもっといいとか,タグ情報が多いなど,他に優れているものがあろうと,その,体質は,ネットワークで優位性を増す。いや,そういうものしかネットワークには相応しくない。

 そして今,私たちはそれぞれがステーションになれる。ウェブサイトもそうだったが,次は,音楽,だ。MP3ストリーミングで泳ぎだそう。ウインドウズユーザーならすぐにでもSHOUTcastで始められる(Impress INTERNET Watchの記事)。マックユーザーだって簡単だ。LIVE365.COMのサービスを利用して,365MB分のMP3をアップロード,24時間リピートしてそのプレイリストを放送してくれる。自分のパソコンを立ち上げている必要はない。あなたのお気に入りを集めて,世界中の誰もが,それ,にアクセスできる。ナップスターなどなくなっても,あなたにぴったりの音楽は,世界中からあふれ流れてくる。そしてあなたの音楽に共感する人も,現れる。繋がりのビートが,地球を震わす。と,云うことで,私のラジオ局,itoTunes(ストリーミングURL: 166.90.143.155:13548)へようこそ:-D。(ネタ元,あんどストリーミングに対する規範,LYCHEE SOUNDS -Auxtracker-さん)。
(たぶんですが,マックで行う正しいMP3ストリーミングのススメを後日掲載予定:-P)




 
[2001.03.11]
  ヤフーが見失ったもの


 ▼ヤフーの失速でネットに激震(CNET Japan)
  http://cnet.sphere.ne.jp/News/2001/Item/010309-1.html


 ヤフーが,インターネットで商売するもののなかで唯一の良心だったとしたら,やはりそれは幻想に過ぎなかったということか。そしてこの世界に企業というものは,商売というのは,残らない。ならば,なにが残るの?

 ウェブポータル大手のヤフー社が2期連続で四半期の業績を大幅に下方修正。同時にCEOティム・クーグルが辞任した。ヤフーにはより現実的なビジネスモデル,収益源を考える時期が来たと云われる。逆にオンライン広告業界は変わらないとする意見もある。

 ヤフーというメディアは,最後まで広告主が残る媒体だと思われていた。唯一,死を感じさせない企業だったはずだが(過去記事),1年ほど前から周辺の企業がばたばたと倒れ始め,ここ半年ほどでヤフーまでがその波に完全に飲み込まれた。そして誰もいなくなる,のか? ワイヤードに,リアルと同じ商慣習やビジネスモデルを持ち込もうとした者たちは,ここでは無理だ,と逃げ始めている。そう,無理だ。ここは,リアルではない。価値観も,慣習も,すべてが異なっている。

 これで,今までの狂乱騒ぎは終わるのだ。リアルのお金も,リアルの法律も,リアルの道徳も,リアルの価値も,ここでは受け入れられない。そして,気付く。もっと別なものがあったはずだ,別の価値が。ネットワークの一端末となって,限りない情報の渦に飲み込まれているときの快感は,決して金儲けとは無縁だ。そして,アマゾン・コムがなくなっても,ヤフーがなくなっても,その快感は消えない。そこに,ネットワークの真実がある。ヤフーはもっと純粋になって,それに立ち戻らなくてはいけない。スタンフォードのサーバー上にあった日の,繋がりの意味を,じっと考えるべきだ。それに気付いたら,今のポータルという志向は,かけらもなくなるはずだ。




 
[2001.03.09]
  不合理?


 ▼7行でDVD暗号を解読するプログラム登場(WIRED NEWS)
  http://www.hotwired.co.jp/news/news/technology/story/20010308302.html


#!/usr/bin/perl -w # 526-byte qrpff, Keith Winstein and Marc Horowitz <sipb-iap-dvd@mit.edu>
# MPEG 2 PS VOB file on stdin -> descrambled output on stdout
# arguments: title key bytes in least to most-significant order
$_='while(read+STDIN,$_,2048){$a=29;$c=142;if((@a=unx"C*",$_)[20]&48){$h=5;
$_=unxb24,join"",@b=map{xB8,unxb8,chr($_^$a[--$h+84])}@ARGV;s/...$/1$&/;$d=
unxV,xb25,$_;$b=73;$e=256|(ord$b[4])<<9|ord$b[3];$d=$d>>8^($f=($t=255)&($d
>>12^$d>>4^$d^$d/8))<<17,$e=$e>>8^($t&($g=($q=$e>>14&7^$e)^$q*8^$q<<6))<<9
,$_=(map{$_%16or$t^=$c^=($m=(11,10,116,100,11,122,20,100)[$_/16%8])&110;$t
^=(72,@z=(64,72,$a^=12*($_%16-2?0:$m&17)),$b^=$_%64?12:0,@z)[$_%8]}(16..271))
[$_]^(($h>>=8)+=$f+(~$g&$t))for@a[128..$#a]}print+x"C*",@a}';s/x/pack+/g;eval

 マサチューセッツ工科大学のプログラマーが,DVDに含まれる暗号を解読する,たった7行のPerlのコード「qrpff」を作成した。このプログラムには,暗号解読を行うためのタイトルキーが含まれていないため,米国の新著作権法にも違反しない。

 いやはや,この項の一段落にもおさまってしまうスクリプト(コメント3行も入れて,計10行)。記事中に出てくるDVD暗号解読プログラム・ギャラリー(ムチャムチャおもろいです)のなかでも特筆の短さだ。このような偉大な作業のおかげで,これからもDVDへの正当の権利は維持される。

 以前にも書いたことがあるが,DVDにかけられている暗号は,違法な複製を防止するための手段ではない。DVDを視聴することを阻害するためのコードだ。それにより,正当な権利であるはずの複製ももちろんできない。なにより,みるためには,DVDプレイヤーなりDVDドライブなり,ライセンス料金をちゃんと払った製品を使え,ということだ。別に悪いことをするわけでなく,手持ちの十分にDVDを再生できるPCでも,製品がなければ諦めろ,と彼らは云っているのだ。そこにDeCSSが現れた。そう,みること自体が違反という,あんまりといえばあんまりな小銭稼ぎのシミッタレタ道理。たとえば,CDを買ったら,この曲はこの指定の機器だけで聴いてください,あなたの手持ちのCDプレイヤーで聴いたら違反です,だから指定の機器を買ってください,というのと同じだ。まず,みるな,という考えから始まっているその道理は,普通に考えて不合理のような気がするが。その不合理に,なにもせずに,馴染めますか?




 
[2001.03.07]
  人より言葉の達人になる彼に


 ▼子どものように言葉を学ぶコンピューターが登場(CNET Japan)
  http://japan.cnet.com/News/2001/Item/010306-1.html


 ネットワークに,そのコンピューターを走らせよう。世界を光の速さで泳いで,言葉をおぼえていく,学んでいく。人間が何百年生きても得られないほどのテキストと会話を経て,そのコンピューターは,なにをしゃべるだろうか?

 アーティフィシャル・インテリジェンス・エンタープライゼスの科学者たちが,学習アルゴリズムで,人間と会話することで言葉の使い方を学んでいくコンピューターを開発した。実際に話した人は,まるで子供を相手に話しているように感じるという。

 IM(ウインドウズのIME,またはFEP)はエルゴソフト社のEGBRIDGEを使っている。先日,たぶんマックOSクラシックでは最後となるだろうアップデートがあり(ver11.5,ver12はOS Xで登場となる),今はそれを使っている。同音異義語の意味を表示してくれたり,同義語や和英辞書となってくれたり,なんだか頭で考えるよりもIMの気の向くままに言葉が紡ぎ出されてくる気もしたりして。だが,それらは,IMやコンピューターが意味を理解しているわけでは_まったく_なく,ただ,データベースから一致したものを引き出しているだけに過ぎない(ATOKの宣伝文句は常に誇大広告だ)。

 日本語は,とりわけ微妙なバランス感覚を必要とする言葉であると思っている(決してそれは優位性ではないけど)。主語も動詞もなくても行動をあらわすことができるし,語感で伝わることも多い。言葉の意味はとことん限定されていなくて,如何様にも転がせる。で2回転までは表現が伝わるけど,3回転させるとまったく意味をなさない,とか。この微妙なバランス感覚は,非常に楽に相手に自分の意志を伝えることや,表現することが可能となる。さて,日本語を学んでくれるコンピューターはいつ生まれるのだろうか。実はドキドキするほど待っていることなのかもしれない。私は,いちばん最初になんと問い掛けるのだろう。そして,彼は,なんと答えてくれるのだろう。彼をネットワークに旅立たせ,1日の間に,どれだけの言葉を使えるように,なるだろう。




 
[2001.03.06]
  遠き道の始まり


 ▼Mac OS X: Promise without the polish(ZDNet News)【英語】
  http://www.zdnet.com/zdnn/stories/news/0,4586,2691847,00.html


 アップル社のトップページでも発売までのカウントダウンがはじまっているOS X。もう,20日をきった。まともに考えれば,パブリックベータから度重なるビルド,最後までスパートし続ける奇跡に近い発売だが,それは,なされる。無理を承知のタイムスケジュールは,実行されて意味を持つ。

 今月終わりに発売されるマックOS X(コードネーム「チーター」)では,DVDを再生することもDVD-RでDVDを作成することもできなさそうだ。それらは,夏に予定されているプリインストールマシンとともに出るOS Xの改訂版となるコードネーム「ピューマ」まで待たなければいけない。また,ゲフォース3やATIのライドオンのような最新のグラフィックチップへの最適化や,ポータブルマシンのスリープ機能の問題もピューマまで持ち越しになりそうだ。

 とある掲示板での会話。「アップルはOS XにDVD再生機能を乗っけられないそうだ。最近のマシンにはDVDプレイヤーを搭載しなかったりもしているし…」「私はOS Xのビルド4K63をパワーブックG4 チタニウムで使っているが,DVDディスクのイメージを作り,クラシック上のDVDプレイヤー2.5で再生できている。DVDのソフトウェアは,最初のサービス・パックで利用可能になるだろう」「…うわっ,OS Xにサービス・パックと云う言葉を使わないでくれ,血が凍ってしまう。ともかくイメージディスクを再生できるのはいい知らせだ。それなら私はOS Xに切り替えることができる…」。(^_^)。

 OS X版のDVDプレイヤーの遅れは,明白だった。最終マスターが近づいているのに,一向にそのアプリケーションの姿は見えず,ついには搭載見送りとなったか。OS Xの発売後1年で,すべてのマックのOSをXにすると云っていたジョブズにとっても,ピューマまでの月日は重たいだろう。だが,私はまるっきり1から作られたOSに,それほどの完成度は期待していない。それ以上の革新に心が踊る。1984年のシステム1.0から16年かかってOS9までたどり着いたように,ここから道が始まるのだ。果てなき道への一歩,それが,すべての始まりとなる。




 
[2001.03.05]
  Mack The Knifeを聴きながら


 ▼MacWEEKへのレクイエム - MacWEEK.comの閉鎖に寄せて(MacWIRE ONLINE)
  http://www.zdnet.co.jp/macwire/0103/03/n_macweek.html


 「日曜の朝,美しき蒼い空の下,河岸の上に,死体がある。それは,Macだ。手に一片のナイフを輝かせ」。Knifeが帰ってきたら,アップルの状況も再び変わるかもと,叶わぬ想いをめぐらす夜。

 マックウイーク・コムは最高の出版物で,尊敬に値した。そして,廃刊となる。最後に。Mac the Knifeの著者を明かすことはできないが,コラムの情報は1人ではなく多くのリポーターから寄せられた情報の混合物だったことを明かしておく。私の心の中では,Mac the Knifeはマックウイークだ。これからも2つは,私の好きな思い出として生き続ける。

 Mac the Knifeが消えたのは,もう1年以上も前のこととなる(MacWIRE ONLINEの記事)。その後,弟子の報告が2度あって(MacWIRE ONLINEの記事MacWIRE ONLINEの記事),そして,マック・ウイークの編集長から連載休止がアナウンスされた(MacWIRE ONLINEの記事)。その説明書きは,ある種,悲痛な思いを抱かせた。非開示合意 (NDA) に対するマック・ウイーク自身の意向の変化があり(まぁその新しい編集長の意向だろうが),商業媒体としての苦悩も垣間見せられた(iMacが売れてもマックの情報を欲する人の数は増えもしない)。もちろんいちばんの原因は,アップルのメディアへの対応が厳しくなったことで,それはiMacによる成功の所産だった。

 だが,マックウイークがなくなることは,現在の,アップルの状態にクロスする。日本でも,マックを扱う雑誌は最盛期の3割減くらいになっているだろうか。ウェブの情報に食われたというかもしれないが,根本的なユーザーの数が解決を導いていないのは確かだ。まぁ…,嘆いていていても仕方がない。今夜は,シャーリー・ホーンの「Mack The Knife」を聴きながら,Knifeの歌うような,流れるような,それでいて辛辣で,明晰と見識にあふれたテキストに酔いしれよう(ZDNet記事検索)。




 
[2001.03.04]
  汝,畏敬の念で路を歩めよ


 ▼ウェブのセキュリティーは神話か(WIRED NEWS)
  http://www.hotwired.co.jp/news/news/technology/story/20010302303.html


 インターネットにセキュリティーなどない。もともとないところから始まっているんだから,どのようなセキュリティーも穴埋め作業でしかない。毎日穴埋め,一生追いかけっこ。それが嫌なら出ていけばいい,簡単なことさ。そして,クラックを否定することなんで,無駄なこと。

 クラッキングやウイルスなどは,ユーザー教育やソフトウェアのアップデート,当たり前の一般常識で用意に防止できる。BINDのバグ,IISのセキュリティーホールは,アップデートがリリースされているし,アンナ・クルニコワのようなワームはダブルクリックしないだけですむのだが。

 最近の人気といえば,任天堂とソニー。人気があって羨ましいかぎり:-P。nintendo-europe.com(alldas.deのミラー),nintendo.de(alldas.deのミラー),nintendo.gr(attrition.orgのミラー),donkey-kong.com(alldas.deのミラー),pokemon.de(alldas.deのミラー),zelda.de(alldas.deのミラー),sony.fr(alldas.deのミラー),sony.co.kr(attrition.orgのミラー)が先週クラックされた。WIRED NEWSの記事の見本みたいだが,任天堂はBIND,ソニーはIISを突っつかれてありゃりゃこりゃりゃ。(ATTRITION Mirrored Sitesalldas.de defacement archives

 直そうと思えば直せることや,前回痛い目にあってもうしないようにと注意していたことで,今度は壊滅的な打撃を受けるのが人間というものか。世界をぶち壊すのは,研究に研究を重ねた最終兵器ではなく,いたずら者が10分で作ったお笑いクラックソフトなのかもしれない。この地では,人は,他者が善良であることを期待してしか生きられない。性悪説を持つものは気が狂ってしまう。だから,なんにつけ,警察や裁判所や紛争処理機関が入ってきても,お笑い草になるだけなのだ。その性善説(または慈悲に満ちた穴埋めの努力)が,この地の信仰だ。




 
[2001.03.02]
  星空の,孤独と繋がり


 ▼星好きの“聖地”五島プラネ最後の投影をネット中継(ZDNet News)
  http://www.zdnet.co.jp/news/bursts/0102/28/goto.html


 プラネタリウムにいつもいたあの人と,あるときエレベーターで2人きりになった。僕は妙に緊張してしまっていたら,その人はふと当然のように話しかけてきた。「いつもいらっしゃいますね? うれしいなぁ。僕はプラネタリウムで以前みかけた人にもう一度会うと,嬉しくなるんですよ。…」。

 渋谷の天文博物館五島プラネタリウムが3月11日に閉館するが,この最終日の投影がインターネットでライブ中継される。44年の歴史に幕を閉じる11日,午後1時から7時まで中継され,館長へのインタビューも放送される。

 日本でもっとも雑然とし,騒がしい街の真ん中にあるプラネタリウムは,いつも静かで,人も少なかった。平日など片手で数えられる程度の人しかいなくて,逆にその雰囲気が好きで,足を向けていた。ふと,いつも同じ席に同じ人が座っていることに気付いた。もちろん,投影中は暗いので顔まではうかがえないが,その円筒形の不思議なカタチをした帽子は,すぐに目に留まった。見上げると,天井では超新星の話が続いていた。星の終わり,その時に発せられる光と,粒子と,エネルギー。星の死の時なのに,その光で初めて発見される星もあり,新星,と云われる。

 ネットワークとは,知識でも,代替の場でもなく,,,世界であり,実態となる。ネットワークにたゆたいながら,人は深海を感じ,極寒の地を感じ,愛欲を感じ,星空の中心にいることも感じられるようになる。プラネタリウムは天井に投影されるが,ネットワークの星空は,心にダイレクトに投影される。星空は,頭上にあるのではなく,胸の内にあるのだということを,その時,実感できるだろう。そう,そういえば,あの人は続けてこう云っていた。「…なんで,嬉しいかって? 星空の中に,ぽつんと1人でいることを考えたら,あまりの孤独で死んでしまいますからね。繋がっている誰かがいたほうがいい。その繋がりの中にこそ,星空はあるんですよ。そうは,思いませんか?」。




 
[2001.03.01]
  夢のための明日


 ▼セガ、希望退職者募集 社員の1割以上の300人(asahi.com)
  http://www.asahi.com/0226/news/business26007.html


 今,それを口にするのは自己否定でしかない。新たな決意に,捨てたはずの夢。だが,思わず口に出てしまうその名前。禁断の果実のように,ドリームキャスト2という名は,皆の胸の内にある。

 ドリームキャストの製造中止を決めたセガ社は,300人の希望退職者を募集することを決めた。その他,1600人を4月から出向・転籍させ,2600人いる社員を700人にまで減らす。

 もうゲームハードを持たないと決めた会社は,ここまで身軽になれるのかとあきれるような,社員73%削減。もちろん子会社扱いへの出向という人数は多いが,やっぱり寂しさは隠しようがない。おりしも,発売中のドリームキャストマガジン誌が,各セガ開発分社社長のインタビューを掲載している。そして,コンシューマー部門の先陣であった2社,ソニックチーム社の社長は,今でもNAOMI2をもとにドリキャス2をつくって欲しいともらし,スマイルビット社の社長は,数年後,セガが豊かになったときにドリキャス2をつくってもらいたいと述べる。セガにはソフトウェアベンダーには究極的になりえないなにかがある,と感じずにいられない。もちろん,それを胸の奥に沈めて,他プラットフォームに展開する次のソフトを考えていると思うが。

 明日持つべきハードはない。捨てたのだ。だからハードの話をしてはいけない。忘れること,うち捨てること,人はそうすることができるから,生きていける。だが,忘れようとしてもおぼえる必要もないほど体に染みついた記憶は,ぬぐい去れない。だから,はじまる。ロードマップにない,社員がこれほど少なくなる会社には絶対あり得ない,明日の夢,を求める毎日が。誰もそれを口に出しはしなくなる。だけども,皆が心の中に抱いている,夢の明日。ドリームキャストという名前を,もう一度やってみようじゃないか,と誰かが口にできる日が,来るのを。




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